<ZUIKO 宣言文> 2018.3.17 田中さとみ
混沌をめでたきしるしとして、
切りとっていった、あの廃墟の像を、あの人たちが、あまりにも人間らしい顔をして捨てるので、
砕け散った、瓦礫の山を歩くPOPEYEの足もと、
祖父のシャッ骨が音をたてた、その音がたまらない、(『こころ』を誤読していた日曜日に)私たちは思う、
「過去はいつも新しかった」、もうこの世から消えてしまった人のことを懐かしがりながら、「未来は常に懐かしかった」、黙っていると消えてしまうのだからね、そう思った瞬間に、この目で切りとっていた、ふるさと=
胡粉色のエクリチュールを一つ一つ、この手に握りしめながら、
(夏目漱石の犬の名はヘクトーだった)私たちは
なさけない、
どうしても誤読する鬼瓦の幻になりながら、
収集していく
黙っていると消えてしまうから
彼らを並べて一つの星座にしようと、私たちは、
なさけない、新しい詩を、新しい星座を描くために、
小さな子が砂浜に木の棒で描いていた、
その星の名は、
〈chaos〉、犬のような姿、長い毛が生えており、爪の無い脚は熊に似ている、目があるが見えず、耳もあるが聞こえない、脚はあるのだが、いつも自分の尻尾を咥えてグルグル回っているだけで前に進むことは無く、空を見ては笑っていたとされる、善人を忌み嫌い、悪人に媚びるという、
chaos
そこに、レンズを向けていた